2007年8月4日土曜日

朝のリレー 谷川俊太郎



カムチャッカの若者が

きりんの夢を見ているとき

メキシコの娘は

朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が

ほほえみながら寝がえりをうつとき

ローマの少年は

柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている



ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ



詩集「祈らなくていいのか」所収
(谷川俊太郎詩集「これが私の優しさです」集英社文庫より)

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 この詩は昔テレビのCMで見てとても感動したことを覚えている。
たんなる世界中の人間の連帯感を書かれた内容だけど、
なんでこんなに綺麗な文章で書けるのだろうと感心してしまう。

 日本のCMはあまり海外では認められてないけど、アッと驚かしたり、
壮大で凄いCGを使ったCMも良いがたまにはこういったCMを見てホッとするのもいいのではないでしょうか?

2 件のコメント:

you さんのコメント...

おはようございます、そしてはじめまして。
今、東京は朝の8時半過ぎです。
今朝早く、所用があって外に出たのですが、
そのときにふと、谷川俊太郎さんの「朝のリレー」の詩を思い出し、
読みたいなと思って検索したら
こちらにたどり着きました。
ニュージーランドの朝はいかがですか?
留学生活、大変そうだけど憧れます。

また寄らせていただきますね。
よい一日を!

Hiroyoshi さんのコメント...

youさん>はじめまして。コメント返すの遅くなってすいません。ずっとイジケてました(笑)

こっちは夜の9時くらいまで明るくて朝の6時にはもう朝日が昇ります。

ニュージーランドは人も街も花もとても綺麗です。

よい一日を!