朝のリレー 谷川俊太郎
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
詩集「祈らなくていいのか」所収
(谷川俊太郎詩集「これが私の優しさです」集英社文庫より)
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
この詩は昔テレビのCMで見てとても感動したことを覚えている。
たんなる世界中の人間の連帯感を書かれた内容だけど、
なんでこんなに綺麗な文章で書けるのだろうと感心してしまう。
日本のCMはあまり海外では認められてないけど、アッと驚かしたり、
壮大で凄いCGを使ったCMも良いがたまにはこういったCMを見てホッとするのもいいのではないでしょうか?
2 件のコメント:
おはようございます、そしてはじめまして。
今、東京は朝の8時半過ぎです。
今朝早く、所用があって外に出たのですが、
そのときにふと、谷川俊太郎さんの「朝のリレー」の詩を思い出し、
読みたいなと思って検索したら
こちらにたどり着きました。
ニュージーランドの朝はいかがですか?
留学生活、大変そうだけど憧れます。
また寄らせていただきますね。
よい一日を!
youさん>はじめまして。コメント返すの遅くなってすいません。ずっとイジケてました(笑)
こっちは夜の9時くらいまで明るくて朝の6時にはもう朝日が昇ります。
ニュージーランドは人も街も花もとても綺麗です。
よい一日を!
コメントを投稿