2007年7月15日日曜日

インターネットという場


 先日友達とインターネットについて熱く討論をした。インターネットがもたらした影響は社会にとってとても大きい。 『フューチャリスト宣言』という本で茂木建一郎氏がインターネットは言語発見以来の大発明だと少し言い過ぎた発言をしていた。しかし彼自身本当にそう思っているのだろう。私自身も彼の意見にとても共感がもてる。何故なら従来のメディアとの大きな違いは双方向性である。よりインタラクティビティになり不特定多数の個々が表現し、とてもつもなく大きなグリッドが形成された。例えばオックスフォード大学らにより運営されているプロジェクトで世界中の個人使用PCの余剰処理能力を使い、ガンの特効薬開発のため計算を行っている。分散ネットワークで遠くなるような計算も世界中の個人用PCで日々世界中がつながって助け合っている。『ウェブ進化論』という本で梅田望夫氏が上手い表現をしていた。不特定多数(limit0)×無限大(∞)人×お金($)で動いてる。不特定多数の人が共有できる『場』を提供した人がWebでは先駆者になるのだろう。自然と人が集まればそこから広告収入やデータを売って収入が得られる会社がいくつも出現している。ドイツの社会学者ユルゲン・ハーバーマス。彼は公共性論や、コミュニケーション論の第一人者だ。生活空間から言論空間、つまりカフェなどに人々が集まることで社会性が生まれたと説いている。しかし21世紀に入りロンドンを代表とする都市が次々と監視社会へと変わりつつある。ロンドンでは通行人は5分に1回は監視カメラに写される。スコットランドでは監視カメラの設置により75%犯罪が減っている。石原都知事も監視カメラの設置を推進し、東京も監視カメラ社会になるのは時間の問題だろう。監視されて犯罪の件数も減ったが、行動規範は狭まったかもしれない。言うなれば「言論の自由、思想の自由はあるが行動は監視するぞ!」という社会だ。社会性の最後ともいえる言論の自由、思想の自由はWebへと益々移行するだろう。私はオンラインゲームに目を付けている。WoW(ワールド・オブ・クラフト)。ファンタジー世界を舞台に2陣営に分かれて、エルフ、トロル、魔法使いなどが冒険に出て、戦争をしたり交易をするオンラインゲームだ。戦争をしかけるためにお互いギルド(組織)を形成する。そういったパラレル・ワールドで技術者がギルドを作り会社を起しお金を稼げる日がくるのではないだろうか?実際セカンドライフというオンラインゲムではアバターは実際のお金で売買が行われている。今後もしWeb2.5というものがあるなら個々がブログやページをもつだけなく、人の形をしたバーチャルの自分が現れてネット上でより濃密にアイデンティーが表現できるだろう。ネット上のもう1人の自分のためにおしゃれな服を着せて、ピアノやダンスができるようにスクリプトを購入し、無味無臭の美味しい料理を与えるかもしれない。

 Web上の『場』について論じてきたが、インフラはどうなのか?リアルの『場』として新しく店舗ができるごとに公衆無線LANが引かれている。どこでもネットが繋がりPCと携帯の区別が付かなくりユビキタスになっていく。PCはチープ化されてウェアラブルになっていくだろう。そしてそのPCに大容量動画を持ち歩きネット上で共有してオンデマンドで自分の好きな映像を見たいときに見れる時代になった。そういった様々なコンテンツが増え、インターネットが普及してメディアの力が弱くなったのかもしれない。近年メディアの多様化により個々が様々な趣味を持ちメディアを選択する時代になった。それはある意味文化の成熟といえるかもしれない。例えば喜劇王チャーリー・チャップリンが来日したときの話。当時喜劇王が来ると聞いたら日本は今のヨン様ブームどころではなかった。ぺ・ヨンジュンが来日した時に羽田にはわずか4000人しか来なかった。しかしまだ昭和に入って間もない頃にチャップリンが来ると聞いて5万人の人が集まったらしい。人口は7000万人の時代に5万人だ。この背景には当時メディアが新聞とラジオぐらいしかなく、メディアの力がとてつもなく巨大だったに違いない。そして現代の紅白を見れば年が越せるというわけではなくなった現代人の市場価値は「知っている人は知っている」という文化になりつつある。ある専門分野でプチヒットするとそうでない人に伝わりそれがバイラル的に広がり大きなヒットへと繋がる。人は本来、聞きたがりでしゃべりたがりであり一日の大半をコミュニケーションで費やされ携帯やメッセンジャーなどのツールにより情報共有がスピードを増し、今の口コミによる購買スピードを上げたに違いない。また第一次世界大戦、第二次世界大戦でテレビで脚光を浴びたがイラク戦争でアルカイーダがインターネットをプロパガンダとしてネット配信したことも社会的に大きな出来事だろう。そういった新聞→ラジオ→テレビ→インターネットとメディアの力は移行するのではなくテレビからインターネットを境に別の力が働いてるに違いない。インターネットはメディアかどうか?そのことについて言及してみてみると面白いことがわかった。インターネットで一番影響力をもっているものは何か?おそらくグーグルだろう。インターネット上ではそのグーグルは無償で様々なサービスを提供している。Earth,Gmail,Blogger・・・etc。面白いことに彼らはプレイヤーにはなっていない。前文にも述べたが『場』を彼らは提供しているのだ。ネット上で多くの人が生きていける土地を作っているのかもれない。そういった先駆者が無償で入れる場を提供したらほかの競合が入ってこれないだろう。始めに秩序を作ったものがそこのルールとなり2番手はそこの秩序に従うしかない。グーグルが作ったルールは『冨の分配』である。その土地に入った人間も儲けられる仕組み。つまり会員登録したユーザーもアフィリエイトで儲けられるという仕組みだ。彼らはコンテンツは作らずに他者の情報の整理しかしていない。またグーグル以外の場を作ったもの達も管理人という立場でしか関与していない。そうすることにより個々が力を持ち影響力は分散した。今まで会社がその周囲からぶら下るようなスター型だった。そこからどこがコアか分からないアメーバ型へと変化していった。 最近ますますグーグルアースが面白くなっている。不特定多数の人がどんどん地図に情報や映像というデータを書き始めているのた。

 今までインターネットの利便性しか論じていなかったがデメリットはないだろうか?それはおそらく三点ある。一つ目に情報が蔓延していてどれを信用していいかわからない。個々が自分勝手に情報を発信して果たしてそれが正しいもので信頼性があるのか?インターネットというまだ秩序や規制が不十分なところに法が追いついていない。今後国境のないインターネット社会で世界条約を作る必要となるであろう。また混沌としたものがWebのダイナミズムでもあり中国のように政府にとってよくない情報を遮断するのはフェアではないと感じた。二点目情報が受動的に得られない。ある物事を調べるにはインターネットはとても便利だが自分にとって興味のないことにはキーワードすら頭にないので知るのはとても困難だ。それに対してテレビや新聞などは情報を浴びせられることにより仮に興味がなくとも情報に入ってくる。その点においては一長一短で使い分けが重要だ。三点目デジタルデバイド。これがもっとも大きな問題であり解決しないといけない問題の一つだろう。デジタルデバイドを二つに分けると年配による格差と貧困による格差だ。前者は提供する側のユーザービリティーの向上や国が総力を上げてリテラシーのように学校教育などでも取り入れるなどして解決するかもしれないが、後者の貧困の差は世界規模で起きている。そのためには他国にITの良さを伝え、ITを活用できる技術者を育て、インフラを整え、援助を促進しなければならない。現代社会においてインターネットは水や電気のように無くてはならないものと思うほど人々に介入しているのだろう。

 インターネットという新しい世界が生まれた。その中で変化に対応できるためには二つある。「極端でないこと」と「柔軟さ」が要求される。デジタルデバイドのように今後様々な問題が生じるであろう。その際にWeb上で場を提供する管理する側とそこで表現する不特定多数が互いのバランスでWebは成り立つと思う。私は束縛の中に自由があると考える。ガンのように細胞のバランスが崩れて極端に細胞分裂する悪性腫瘍は表現者の中では淘汰できず管理者側から搾取するしかないと思う。そういった束縛の中でいかに自由を見出せるか?そこからどうやって新しい価値を生み出すか?そこがキーワードかもしれない。もしかしたら現実の世界で戦争というもっとも悲惨な出来事もお互いのエゴのバランスが崩れて起きた現象の一つかもしれない。また加速するようにWeb上で情報が共有され今日100日あれば全世界に伝わるとされている。その中でいかに順応できるか?フレキシブルな対応が必要だと思う。柔軟に物事を考え新しい価値が生まれたとしてもそこで何ができるか?どうやって腕を動かせばいいか?どうやって頭を動かせばパニックにならずに工夫しながら行動できるかが大事だろう。そして自由でもない。束縛でもない。二重否定の中でアウフヘーベンが生まれその中に新しい場を提供するものが再び生まれる。そういったWeb上で破壊と再生の螺旋を描いていくのであろう。

 そんな自分は最近TOEICのテストが近づきちょっと一息とインターネットを開いたらアッという間に日が落ちてしまった(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

ギャ~~~~インターネットって恐ろしいf^^;

写真は先日学校の先生にもらったポスター。とてもユニーク。
Don't ever give up!! 蛙が鳥の口の中に入れられてもなお足掻いてる姿です。


自分の部屋に貼っています(笑)

0 件のコメント: